マンジャロってどんな薬?
マンジャロ(チルゼパチド)は、「GIP/GLP-1受容体作動薬」というタイプの糖尿病治療薬です。米国では2022年5月に、日本では2022年9月に「2型糖尿病」を効能・効果として承認されました。食欲抑制や満腹感の持続といったダイエットにも役立つ効果が着目され、肥満症治療薬としても開発が進められました。アメリカでは、2023年11月から肥満症治療薬として、Zepboundという製品名で発売されています。
日本でも肥満症治療薬としての開発が進められ、2025年4月に「ゼップバウンド」という製品名で発売されました。ただし、肥満症の治療ではなく、ダイエットを目的とする場合は自由診療となります。自由診療においては、同一成分のマンジャロが引き続き処方されます。
マンジャロは、食事をしたときにインスリンの分泌調整を行う生体内物質「GLP-1」「GIP」と同様の働きをします。このような物質は総称してインクレチンと呼ばれており、インスリンの分泌だけではなく、食欲や消化管の動き、脂肪の分解や代謝の調節も行うことが明らかになっています。
マンジャロは、GLP-1・GIPと同様に膵臓に働いて血糖を分解するほか、
脳に働き、食欲を減退させる
消化管の動きを抑える。
また、胃の内容物が胃から出ていく時間を遅らせて、満腹感を持続させる
脂肪の分解を増やし、脂肪の生成を減らすことにより、脂肪を減らす
代謝を上げてエネルギー消費を増加させる
といった作用により、体重を減少させます。
メディカルダイエットで使われる薬には、いくつか種類があります。その中でも、マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれるタイプの薬です。リベルサスやオゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIP受容体にも作用するため、より高い効果が期待できます。
マンジャロの使用方法
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5mgを維持用量とし、皮下注射します。ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量していきます。
なお、患者の状態に応じて適宜増減しますが、週1回5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量できます。ただし、最大用量は週1回15mgまでとします。
用法及び用量に関連する注意
- 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与すること。
- 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
- 胃腸障害等発現により忍容性が得られない場合は減量又は漸増の延期を考慮すること。
- 本剤投与による用量依存的な体重減少が認められているため、過度な体重減少に注意しましょう。
重要な基本的注意
- 糖尿病罹患者においては、本薬剤をダイエット目的でいきなり使用できません。使用前に血液検査にて2型糖尿病に罹患していないか確認いたします(自費)。
- 他院にて糖尿病治療を行っている患者においては、糖尿病治療を行っている医療機関に承諾を得る必要があります。
マンジャロを使用できない方
- 重度の胃腸障害、糖尿病や膵炎、低血糖を起こす可能性がある人などは、マンジャロを使うにあたって注意が必要です。
- 妊娠中のマンジャロの使用は、おなかの赤ちゃんに影響が出る可能性があることが動物実験でわかっています。妊娠、またはその予定がある人は医師に申し出るようにしてください。また、マンジャロを使用している間や使用を終了して1カ月間は避妊するようにしましょう。授乳中は使用できません。
- 使用にあたり、気を付けたい点がもうひとつあります。安全にメディカルダイエットを行うため、多くのクリニックではマンジャロを処方する際に体重基準を設けています。体重基準を設けていないクリニックでの処方は、思わぬ副作用などで健康を害する恐れがあるため、避けるようにしましょう。
当院でのマンジャロ使用基準
- ①男性の場合
BMI25以上あるいは腹囲85cm以上が対象です。
- ②女性の場合
BMIが20以下の方は使用できません。過度なダイエットを避けるためです。
- 本剤で低血糖を起こすことは稀ですが、低血糖発作が起きたときにすぐ対応するため、常にラムネやあめなどを常備しておいてください。
- 低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者は注意しましょう。
低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
- 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
- 激しい筋肉運動
- 過度のアルコール摂取
- 急性膵炎が発現することがあるので、急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるようにしてください。
- 過度の体重減少がみられた場合は、本剤の減量又は投与中止を考慮します。投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていません。
- 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、医師に相談してください。
- 下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるので、水分摂取には留意しましょう。
マンジャロの保管方法
- 凍結を避け、2〜8℃(冷蔵庫など)で遮光して保管してください。
- 室温で保存する場合は遮光して保管し、21日以内に使用してください。
- 30℃を超える場所では保管しないでください。
価格(税込み表示)
| 初診料(注射指導料含む) | 3,300円 |
|---|---|
| 採血料(初診時・随時) | 2,000円 |
| 再診料(適宜) | 1,650円 |
| マンジャロ2.5mg | 4,000円/本 |
| マンジャロ5.0mg | 8,000円/本 |
| マンジャロ7.5mg | 12,000円/本 |
(1箱2本入りです。基本2本セットで購入していただきます。)
いかなる理由でも返品・返金はお断りさせていただきます。
使用済み注射は医療用廃棄物として廃棄する必要があります。当院に持参してください。無料で廃棄させていただきます。

